1回にあげるキャットフードの量について

1回にあげるキャットフードの量を知るには、猫が1日にどれだけのエネルギーを必要としているのかを考える必要があります。
1日の活動に必要なエネルギーは1日の食事で賄えることが理想だからです。

1日の活動に必要なエネルギーとは安静時の消費エネルギー(最低限ペットに必要なエネルギー)に運動などによる消費エネルギーを足したものです。
つまり活発な若い猫と、あまり動かない老齢の猫では運動量が変化するため必要なエネルギー量が変わってくるということです。

他にも外的な環境や個体差によって必要なエネルギーが変わってきます。
例えば気温の低い場所で生活している猫は体の体温を維持するためにより多くのエネルギー量が必要になります(同じ理由から冬場は必要なエネルギー量が増えるといえます)。

すべての要因を考慮して正確なキャットフードの量を導き出すのは難しいかもしれません。
まずは基本的なエネルギー量を計算し、算出された量を与えてみて、猫の様子からキャットフードの量が適正なのかを検討してみてください。

では必要なエネルギーを計算する簡単な方法をご紹介します。
猫の体重(㎏)に運動量・年齢によってきまる係数をかけていきます。
体重にかける係数はこのようになっています。

猫に必要なエネルギー量
子猫の週令  kcal/体重(kg)
10週       250
20週       130
30週       100
40週       80

50週以上の成猫の場合
不活発       70
活発        80
妊娠期      100

例えば体重が3㎏の不活発(室内で飼われている運動不足)な猫の場合、係数は70なので計算式は3×70=210kcalとなります。

さて、キャットフードの中にはパッケージにMEの表記をしているものがあります。
MEとは「Metabolizable Energy(メタボライザブル・エナジー)」(代謝可能エネルギー)の略です。
MEはキャットフードに含まれる原材料すべてのエネルギーの総量ではありません。
尿や便から排出されてしまうエネルギーを引き、実際に猫が体の中で利用できるエネルギーのみを示した値なのです(通常100gのキャットフードにふくまれるエネルギー量をあらわしています)。
1日に必要なエネルギー量を計算したら、キャットフードに含まれるとされるMEと比較してみてください。
それによりキャットフードを1日にどれだけ与えればいいのかがわかります。
この量を1日3回程度に分けて与えます。

ただし、計算によるキャットフードの量はあくまで目安。
人間と同じように適量の食事を食べていても太ってしまう猫、痩せてしまう猫もいます。
日々の運動量や体調を観察し、個体別に食事の量が適切なのかを検討することが大切なのです。